2009年 10月 12日
映画 ココ・アヴァン・シャネル
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シャネルを観て来た。
オドレイ・トトゥの「ココ・アヴァン・シャネル」。
シャーリー・マクレーンの「ココ・シャネル」も観たかったのだが、
どうしても都合がつかず、後発のこちらを。
あるところから気づく。
ああ、これは、デザイナーとしてのシャネルではなく、
ひとりの若い女性の「生きる」を描いた映画なんだと。
彼女の表情とリンクする、淡々とした話の進行。
登場人物たちのどこか抑えらたような感情表現と、
彼らをとりまく人間たちの無関心とも思える会話や生活。
それは、孤児院に置き去りにされた日の、幼い彼女の瞳に映った風景を、
ずっとずっとサブリミナルで観せられているかのような静けさでもあって、
彼女が深く傷つき、心から血を流している瞬間であっても、
決して誇張されることなく描かれ続けている。
シャネルは、女性を解放したとかいう言葉で現されるけれど、
彼女はそんなことの「ため」に生きたんじゃない。
自分がやりたいことをやってきただけだ。
そのきっかけが、華やかな世界へのコンプレックスだとしても、
持って生まれた「何か」なのだとしても、
そんなことはどうでもいいのかもしれない。
長過ぎるリボンをハサミで切ってしまえる勇気は彼女のものだし、
彼女が、初めて舞踏会に出た時の黒いシンプルな自作のドレスと、
それを着る彼女自身は、周りの誰よりも美しかったと思う。
こうして、映像化されたものなど、
きっとシャネルの細胞の何億分の1くらいなのだろう。
巷には、いろんな逸話や名言が残っているけれど、
本当の意味での彼女を現すものなんてないのかもしれない。
乱暴かもしれないが、
結局、ひとの考えてることなどわからないものだ…なんて、
そんな言葉が嫌味なく頭をよぎるといった意味で、心惹かれる作品だった。
フランスの映画には、そういうものが多いような気がする。
11月末に、シャーリー・マクレーン版が期間限定で来るらしいので、
何とか時間を調整して観てみたい。
by ashi-bann
| 2009-10-12 15:53
| 映画はいいね
|
Comments(4)
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by
みかん
at 2009-10-14 10:28
x
こんにちは!
子どもたちが、学級閉鎖、学級閉鎖、学年閉鎖と(涙)
超(長?)在宅していたので久しぶりになります。
その間、一日だけ家を脱出して、
マギー・チャン主演の「クリーン」という映画を観てきました。
余談ですが、マギー・チャン、大好きなんです(笑)
で、これもフランス映画なんですが、
なんとも言えないほろ苦さや痛さを受け止めつつ、
今さらながらそういうのを楽しめる年(心持?)になったんだなあ・・と。
これを一緒に観た方は、こちらの映画もご覧になっていて、
詳しい感想を伺っておけば良かったと後の祭りです。
でも、オドレイトトよりシャリー・マクレーンのほうが気になるかな(爆)
時間調整、上手くいくといいですね。
子どもたちが、学級閉鎖、学級閉鎖、学年閉鎖と(涙)
超(長?)在宅していたので久しぶりになります。
その間、一日だけ家を脱出して、
マギー・チャン主演の「クリーン」という映画を観てきました。
余談ですが、マギー・チャン、大好きなんです(笑)
で、これもフランス映画なんですが、
なんとも言えないほろ苦さや痛さを受け止めつつ、
今さらながらそういうのを楽しめる年(心持?)になったんだなあ・・と。
これを一緒に観た方は、こちらの映画もご覧になっていて、
詳しい感想を伺っておけば良かったと後の祭りです。
でも、オドレイトトよりシャリー・マクレーンのほうが気になるかな(爆)
時間調整、上手くいくといいですね。
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ashi-bann at 2009-10-15 00:12
*みかんさん
あちらもこちらも学級閉鎖&学年閉鎖で、結局大変なのはハハたち…
うちはまだ何とかすり抜けているんですけど、じりじりと四方から
攻められているようで、まるきり落ち着かぬ日々でございます〜^^
「クリーン」という作品は初めて知りましたが、予告を観ただけで
チクチクします…子どもが出ると無条件で(T_T)ですわ。
トトゥさんのは、女性のサクセスストーリィを期待してた方々には少々
物足りなかったという噂です。もう1本と予告のイメージが混ざったの
かもなぁと。あちらも何とか観てみて(あともうひとつシャネルものが
来るそうですが^^)対比させてみたいデス ♪
あちらもこちらも学級閉鎖&学年閉鎖で、結局大変なのはハハたち…
うちはまだ何とかすり抜けているんですけど、じりじりと四方から
攻められているようで、まるきり落ち着かぬ日々でございます〜^^
「クリーン」という作品は初めて知りましたが、予告を観ただけで
チクチクします…子どもが出ると無条件で(T_T)ですわ。
トトゥさんのは、女性のサクセスストーリィを期待してた方々には少々
物足りなかったという噂です。もう1本と予告のイメージが混ざったの
かもなぁと。あちらも何とか観てみて(あともうひとつシャネルものが
来るそうですが^^)対比させてみたいデス ♪
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ぴか
at 2009-10-15 09:49
x
こんにちは~(^o^)
この映画はビョンホンシ映画を見に行ったとき、何度となく予告編を見たんですが、とっても気になる映画でした(^-^)
んで、あしばんさんのブログ読んで見た気分を味わっておりましゅ(^^;;)
↑
ということは、きっとDVDになったあかつきに、レンタルして見ることになりそうでしゅ(^^;;)
予告編のみの知識しかないのですが、トトゥさんの、美しく華奢な女性なのにどこか「太い」「男らしさ」というのかな…「ごつさ」を感じる姿に惹かれました
潔さっていうのかなぁ…うまく表現できないんですけど、
バサッ!と切り捨てちゃう部分に爽快感を感じました
恋愛も描いているのでしょうか?予告編を見ただけですが、愛情に関して、控えめな印象を持ったんですが…
それがかえってリアルだなぁと、今、そんな風に思ってます(^^;;)
予告編だけで語ってごめんなしゃい(^^;;)
この映画はビョンホンシ映画を見に行ったとき、何度となく予告編を見たんですが、とっても気になる映画でした(^-^)
んで、あしばんさんのブログ読んで見た気分を味わっておりましゅ(^^;;)
↑
ということは、きっとDVDになったあかつきに、レンタルして見ることになりそうでしゅ(^^;;)
予告編のみの知識しかないのですが、トトゥさんの、美しく華奢な女性なのにどこか「太い」「男らしさ」というのかな…「ごつさ」を感じる姿に惹かれました
潔さっていうのかなぁ…うまく表現できないんですけど、
バサッ!と切り捨てちゃう部分に爽快感を感じました
恋愛も描いているのでしょうか?予告編を見ただけですが、愛情に関して、控えめな印象を持ったんですが…
それがかえってリアルだなぁと、今、そんな風に思ってます(^^;;)
予告編だけで語ってごめんなしゃい(^^;;)
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ashi-bann at 2009-10-16 10:01
*ぴかさん
あ…「何度となく」という表現に「何度も行った」のが現れてます(>▽<)
予告のイメージよりも淡々としていてクールな印象でした。
どちらかと言うと、若き日の「彼女を愛した男たち」って感じでしょうか。
焼けそうな感情そのものさえ静かに描かれているようで…。
いわゆるファッションビジネス関係はほとんど描かれてません。
トトゥさんは、セリフじゃなくて「あの眼」でずいぶん語っていたような
気がします。巷の評判はあまりパッとしないものも多いんですけど、
私は、ぴかさんがおっしゃるように、かえって現実味があって好きだなぁと
思ったんですよ。DVDになったらもう一度じっくり観てみたいです。
あ…「何度となく」という表現に「何度も行った」のが現れてます(>▽<)
予告のイメージよりも淡々としていてクールな印象でした。
どちらかと言うと、若き日の「彼女を愛した男たち」って感じでしょうか。
焼けそうな感情そのものさえ静かに描かれているようで…。
いわゆるファッションビジネス関係はほとんど描かれてません。
トトゥさんは、セリフじゃなくて「あの眼」でずいぶん語っていたような
気がします。巷の評判はあまりパッとしないものも多いんですけど、
私は、ぴかさんがおっしゃるように、かえって現実味があって好きだなぁと
思ったんですよ。DVDになったらもう一度じっくり観てみたいです。